事例

東南アジアの高級ヴィラにおける竹製壁面・天井仕上げプロジェクト

プロジェクト概要

所在地: 東南アジア
プロジェクトタイプ: 高級プライベートヴィラ
竣工年: 2025年
用途: 外壁クラッディングおよび屋外天井システム
外壁施工面積: 約1,000㎡
天井施工面積: 約500㎡
施工方式: SUS304ステンレス製クリップによる隠し固定工法
下地構造: アルミニウム下地フレーム


プロジェクト背景

本プロジェクトは、モダンな建築デザインと天然素材の質感を融合させた、現代的なトロピカルスタイルの高級プライベートヴィラとして設計されました。

建設地である東南アジアは、一年を通して高温多湿で、強い紫外線にさらされるほか、シロアリやカビなどの生物劣化リスクも高い地域です。そのため、建築初期段階から建材の選定が重要な課題となりました。

設計者は、温かみのある自然な外観を実現するとともに、熱帯気候における長期的な耐久性能を備えた外壁および天井材を求めていました。


設計要件

材料選定にあたり、設計チームは以下の重要な条件を設定しました。

まず、プロジェクト全体の環境目標に貢献し、持続可能な設計理念に適合する素材であること。

次に、現地の建築基準および安全要件を満たすため、優れた耐火性能を備えていること。

さらに、高温多湿な地域特有の環境に対応するため、シロアリや腐朽・カビなどの生物劣化に対する高い耐性が求められました。

最後に、外壁から軒天・天井へと連続する統一感のあるデザインを実現するため、複数の異なる仕上げ材を使用せず、一貫した意匠を形成できる材料であることが重要視されました。


採用された材料

本プロジェクトでは、外壁および天井の両方に**ストランドウーブン竹(Strand Woven Bamboo)**によるクラッディングシステムを採用しました。

外壁には、1850 × 137 × 18 mmのシップラップ形状パネルを縦張りで施工し、すっきりとした統一感のあるファサードを形成しています。

天井部分には、1850 × 100 × 12 mmのシップラップ形状ボードを使用し、同じ素材感を維持しながら、天井施工に適した仕様としました。

固定方法には、SUS304ステンレス製クリップによる隠し固定工法を採用し、ビスを露出させることなく、美しい建築デザインを実現しています。

また、長期にわたる寸法安定性と構造的な信頼性を確保するため、クラッディングは屋外仕様に設計されたアルミニウム製下地フレームに取り付けられました。


建築デザインの特徴

本プロジェクトの大きな特徴は、竹素材を建物全体に連続的に展開している点です。

外壁と天井を別々の仕上げ面として扱うのではなく、一体化した建築スキン(外皮)としてデザインすることで、建物全体を包み込む統一感のある外観を実現しています。

縦方向に配置されたクラッディングパネルは建物のプロポーションをより美しく強調し、温かみのあるブラウンカラーは、明るい色調の塗り壁とのコントラストを生み出しています。

この設計手法により、過度な装飾に頼ることなく、洗練されたモダンな建築表現を実現しています。


プロジェクト成果

本プロジェクトは、エンジニアリング竹材が従来のデッキ材用途にとどまらず、高級住宅建築にも幅広く活用できることを示す好例となりました。

外壁と天井を統一されたデザインコンセプトで構成することにより、高い建築的価値と優れた機能性を同時に実現しています。

その結果、持続可能性、耐久性、そしてデザインの一体感を高いレベルで融合させた、熱帯地域にふさわしいモダンラグジュアリーヴィラが完成しました。